山田昌弘「若者に厳しい民主党政権 若者を犠牲にした財政再建の意味とは?(THE COMPASS)」週刊東洋経済2012/03/31

公開日: : 書評(雑誌), 週刊東洋経済, 山田昌弘



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若者に厳しく、高齢者に優しい。これをひっくり返すために、若者は、国政選挙で必ず選挙に行かなくてはならない。どの政党を指示するか、誰に投票するかはともかく、まず選挙権を行使する必要がある。それだけで、議会の議員がこの瞬間にどの政党に所属して、どのような考え方を持っていようが、若者のために考えてくれるようになる。デモに参加し、言論するのもの結構だが、もっと直接的に参政することで若者の残念な状況は必ず改善に向かうように思うんだけど




・学生が「シルバー人材センター」の調査結果を卒論にまとめてきた。来所者は、仕事の斡旋を受けるが、今の時代、そう仕事が転がっているわけではない。そこで、自治体に頼んで、放置自転車整理や清掃などの仕事を回してもらうことが多いという。つまり、自治体が高齢者のための仕事をわざわざ作っていることになる。そこでは公務員が指導に当たるから、高齢者に仕事をさせるために税金が投入されていることになる。給料は少ないが、ほとんどが家もあり年金も十分もらっている人たちである。生きがい半分、小遣い稼ぎ半分の役所が作った仕事で、仲間とおしゃべりしながら、悠々と仕事をしているという。卒論を書いた学生は、役所は高齢者にはものすごく親切な一方、若者にはなんて不親切だろうと嘆いていた


・若者に厳しく、高齢者に優しいという政策は、民主党政権になっても変化しない。最近では、せっかく成立した子ども手当を削る一方、基礎年金への税金投入は無条件で継続している。高収入という理由で子ども手当がもらえなくなる子育て夫婦の税金が、年金受給者には高収入であってもバラまかれ続けている


・今回、岡田克也副総理によって、国家公務員の新規採用抑制の一層の拡大方針が示された。2009年の新規採用は約8500人で、これを4割削減しようとしている。一方で、厚生年金支給開始年齢の引き上げに伴い、企業には正社員の65歳までの雇用継続を義務化する方針が伝えられている。中高年正社員には「国」が強制してでも雇用を継続、つまり、収入源を確保させようとしている一方、これから社会に出る若者の職の削減を行おうする。つまり、現在行おうとしている施策は、世代間格差を拡大させ、若者の貧困化に拍車をかけるものではないだろうか


・驚くなかれ、30代未婚男性の9人に1人は無職なのだ。たとえ仕事があっても、非正規雇用に就かざるをえない人が増えている。この調査でも未婚者の正社員率は全年齢層で低下の一途だ。別の労働力調査によると、学歴別に見て、高卒の非正規雇用率が目立って悪化している。20-24歳で見ると、92年には8割あった高卒男子の正社員率が07年には6割を切った。女性に至っては4割しかいない。無職や定収入のない非正規雇用の若者が貧困に陥るのを食い止めているのは、その大部分が中高年の親と同居して扶養されているからであるが、いつまでもつだろうか。また、雇用が不安定な人は、結婚しにくいので、これでは、未婚化、少子化は止まりようもない




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