永野良佑「銀行が超!衰退産業になったワケ」扶桑社

公開日: : 最終更新日:2013/01/15 おかねまわり, 書評(書籍)



20121222081453








内容のレベルも精度も低い。が、それでもちょっとはノートを取れるところがあった


日本の金融機関はM&Aによってマーケットシェアを取りに行くのは難しいというところは感覚として合っている。単純にシェアの足し算にはならないのだ。だから、ライバルがつぶれた際にも、決して法人格を取りには行かずに、手が放れた顧客のパイを、そこから切り取っていくことになる。これは顧客だけでなく、従業員もそうだ。流動性が高い投資銀行であれば、会社を買えば従業員も含めたビジネスユニットが手に入るのが当然ではない


間接部門の人件費が高く、それが無能力者員の終身雇用の故、というのも同意だな。さらに大事なのは、収益部門で役に立たない従業員は、間接部門に行っても役に立つわけではないのだ




p23.中小企業に融資をすれば、確率的には、一定の貸し倒れが出るのはやむを得ません。しかし、100社のうち5社が倒産しても、その損失を埋めるくらい高い利息を稼げば、ビジネスとしては成功です。


ところが、ビジネスのトータルとして成功したことよりも、今の例であれば5社の貸し倒れを出したことを恥じる文化が日本の銀行にあります。本来であれば計算どおりのはずなのですが、貸し倒れの発生を減点要因だと考える組織では、総体的には儲かるビジネスをやるという気概が生まれないのです


p35.銀行は自分たちのことを一般の会社だとは思っておらず、自分たちを呼ぶときは「当行」と言います。銀行が「当社」と呼ぶのは、取引先の会社のことです。なので、同じ文章の中で「当行による当社への融資は」という表現が、なんの違和感もなく登場するわけです


p48.住友銀行がメインであったのが、第一勧業銀行と富士銀行が合併してみずほ銀行やみずほコーポレート銀行になると、シェアが逆転してしまいます。住友系の企業であればそれを避けようとするでしょうが、そのとき、たとえばみずほからの借り入れを減らして、新たに三菱UFJからの借り入れを増やすということが起きるようになったのです


p127.外資系の証券会社では、この引受の分野は相当に力が入っているところです。外資系の証券会社はすべての上場会社などと付き合うわけではなく、利益が上げられそうな先とだけ付き合うということが可能だからというのが大きな理由です。日本の証券会社が儲けられないのに外資系が利益を上げられるのは、大企業では資金調達の手法が多様化しているため、諸外国で培った最新の技術を外資系は提案できるほか、日本の証券会社にはない海外での販売網があるため、競争の激しくないところで勝負ができるのです


p135.日本の証券会社では、直接おカネを稼ぐ人以外の給与水準が高い、つまり、ビジネス1単位あたりの人件費が高くなりやすい構造になっていることが挙げられます。組織としての生産性が低いといってもいいでしょう。たとえば、日本の証券会社には4月に大量に新卒の大学生を採用するという習慣があります。これら若者はすぐにはおカネを稼げないだけでなく、教育という形で、本来であれば会社のためにおカネを稼いでいなくてはならない人の時間とエネルギーを奪います。その結果として、会社全体で見ると、人件費の相対的な水準は上がります。また、日本の証券会社には、直接おカネを稼がない部門に大量の「男性」正社員がいます。別に男性であることが悪いわけではありませんが、ここで証券会社のカルチャーを思い出してみましょう。そう、リスクなく手数料を稼ぐことが生業であった時期が長く、会社の中で評価されるのはそのような手数料を稼ぐ人です。おカネを稼がない、いわゆる「間接」部門には、手数料を稼ぐという本業部門で役に立たない人が送り込まれるという側面が強いのですが、一方で、そのような人も新卒の形で採用している以上、ずうっと面倒を見るのが日本の会社です。しかも、年功序列で長く勤務すれば給料の水準は上がります。こうして、おカネを稼がない部門に、給与水準が高い中高年の男性が増えていくことになるのです







google adsense

関連記事

no image

西村英俊「会社は毎日つぶれている」日経プレミアシリーズ

20090816214933 日商岩井や双日が経営危機だったときに経営者だった人であり、そ

記事を読む

no image

苫米地英人「頭の回転が50倍速くなる脳の作り方」フォレスト出版

読了の所要時間は1時間くらい 英語のドラマをずっと見続けるというのはおもしろい方法だ。内容によって

記事を読む

no image

ピーター・セージ「自分を超える法」ダイヤモンド社

20120707111440 また自己啓発的な本を読んでしまった。ダイヤモンド社らしい本だ

記事を読む

no image

カーマイン・ガロ「スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン」日経BP社

20110305225307 この本を読んでからスティーブ・ジョブズのプレゼンを見るように

記事を読む

no image

丸紅経済研究所監修・造事務所編著「コーヒー1杯からわかる経済」大和書房

20090311231000 この本の最大の魅力はイラスト。すごく変で面白い。忘れられない

記事を読む

no image

梅谷薫『「病」になる言葉』講談社

昔から不思議だった。人は似通った境遇にいても、発症する病気は異なるということ。素人ながら勝手に、遺伝

記事を読む

no image

水野敬也「夢をかなえるゾウ」飛鳥新社

ビジネス上の成功ための秘訣を各章に持ってきて簡単に説明する。それを架空のストーリーの上で展開する感じ

記事を読む

no image

桜井進「面白くて眠れなくなる数学」PHP

20120317000255 秋葉原の某大型書店で平積みになっていたことが切っ掛けで読み始めた一冊

記事を読む

no image

デイル・ドーテン「笑って仕事をしてますか?」小学館プロダクション

この本も、買ってから2年くらい放っておいたものだ。なぜ今まで読まなかったのかと後悔しきり。しかも当時

記事を読む

no image

キャリー・マリス「マリス博士の奇想天外な人生」ハヤカワ文庫

自分を信じることの大切さ。人が何のために動いているのかを知らずに影響されることの愚かさ。自分が楽しむ

記事を読む

google adsense

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

google adsense

pay整理とKyashへの収束

20181209101111 ソフトバンク系と楽天系のポイントが

楽天ペイのアプリとローソン

20181208145713 Rakuten PayがPayPa

銀行の口座振替(引落し)設定の解除

20181207112040 とある事情で、とある業者への支払い

Pixel3の購入と現状の整理

20181120110248 Pixel初代とPixel2が日本

ドコモ「dアカウント」と「ポイント共有グループ」の整理

20181106112305 ドコモに3回線MNPの顛末(2

→もっと見る

  • 名前:Max 年齢:人生の2合目くらい 誕生日:夏の暑い日 一言:他言無用ということでお願いします
  • あわせて読みたい
  • にほんブログ村 本ブログへ
PAGE TOP ↑