宮脇修一「造形集団海洋堂の発想」光文社新書

公開日: : 書評(書籍), ブランド



20130319225803








なにかの書評で見て面白そうなので読んだ。実は10年以上前の古い本だ。読み物としては面白いけれども、破天荒すぎてとても参考になるものではない


フィギュアといえば海洋堂は有名だろう。自分のように興味のない人間だって知っている。また最近は、ドイツのシュライヒとかが有名になった。野生動物などはかなり精巧に作られており、質だけでなく価格的にも子どもにはもったいないくらいだ。こんな感じ





ドイツ軍が第二次世界大戦の末期でも、しっかりと兵の休暇をとらせていた。ってのは、同様の話がフランスの話としてあった。山根一眞「メタルカラーの時代3」小学館文庫hiog | hiog




p75.この果てしなく続くかに思えた借金地獄も、拍子抜けするほど簡単に解決しました。救いの神はテレビゲーム機です。後年、当時お金を借りていた街金さん自身から、「あれだけ借りてまだ企業として成り立っているのは海洋堂さんだけや」と妙な感心をされたぐたいですが、こんなことならさっさとインベーダーブームの時にゲーム機を置いておけばよかったと思いました


p84.川口さんは、その入れ歯を作るのと同じ方法で、怪獣のモスラの幼虫を作ったのです。彼は歯科用レジン製のモスラの幼虫を取り出して、「どう? 海洋堂、これ」と、おそるおそる言いました。小さなモスラでしたが、ぼくらはものすごく驚きました


p106.メーカーに版権のお願いに伺う場合、ふつうはあらかじめ担当者のアポイントをとったり、企画書を送ったりします。ところがその頃ぼくは何も知らなかったので、東宝さんへ最初に版権のお願いに訪ねた時には、直接行って、「これを売りたいんですけど」と、完成品の現物を差し出しました。その頃はゴジラや仮面ライダーという子ども向けのキャラクターを、リアルな立体物にして販売するという会社は存在しなかったし、誰もそういうものは見たことがなかったのです。「これはぼくらが作った海底軍艦です。マニア向けです。2000円で2000個売りたいんです」


p168.チョコエッグを爆発的にヒットさせ、二人三脚で一所懸命に得た財産はノンキャラクターものの勝利という勲章。けれどもディズニーをチョコエッグのラインに入れるということは、その財産を捨てることを意味します。「どないすんねん。ゼロから作ったものの意味が分かれへんのかい。大事なものを失ってしまうねんぞ」と思いました。ディズニーというのは世界のキャラクターの最高峰です。しかし、ディズニーというキャラクターは、明日にでもトミーさんやバンダイさんに移るかもしれない。我々の生み出したものではないんです。そうなったらキャラクターの取り合い競争です


p169.「チョコエッグの本は簡単に出せました。動物やペットの図鑑も出ました。けれどもそこにディズニーが入ったら、たとえばチョコエッグの本を出版するにしてもチョコエッグという言葉は版権問題で簡単に使えなくなるじゃないですか。それはチョコエッグの本だけじゃない。そういうことまで全部失ってしまうんですよ」と訴えました


p170.別にウチがそこでボロ儲けしたいとか、小銭を稼ぎたいからではありません。地域限定のディズニーの商品でも、ディズニーランドへ行けば売っているのは当たり前です。チョコエッグはフルタ製菓さんのものですが、中身は海洋堂の製品です。ウチが作っているものを、ウチの店で売るのは当たり前です。町の手作りパン屋のように、自分たちが作ったものを自分たちが売るというスタイルが海洋堂の基本の基本ですから


p183.2002年2月。海洋堂は「さらばチョコエッグ」という文書を発表して、新しいパートナーを求めました。「フルタの下請け風情が何をほざいとるんや」というふうに捉えられるかもしれません。ぼくらとしては大きなバクチでした。発表して一週間のうちに挙手してくださったのは6社。ありがたいことです。その中で最終的に、社長さん自ら電話をかけて会いに来てくださったタカラさんと組ませていただくことにしました。ただ、ほかの5社さんに関して、逆境に手を差し伸べてくださったのにお断りするというのは、恩を仇で返すようなもの。いまはかかってくる電話を全部断っておりますが、こういう恩を受けた時にはきっちりとお返しをしなくてはなりません。海洋堂は不義理は嫌いです。挙手してくださったメーカーさんとも一緒に組んで作らせていただくことにしました。いま、海洋堂は無差別攻撃のように商品を出しています。タカラさん、北陸製菓さん、江崎グリコさん、ロッテさん、森永製菓さん、全部お互いライバルメーカー。そこでどんどん”武器”を渡している。ひどいですね。ほとんど死の商人です


p216.第二次世界大戦中、日本軍がダメだったのは、短期間に無理をさせて倒れるまで使ったことです。その点、ドイツ軍のすごいところは、45年4月30日が第二次世界大戦の終戦なんですが、その1か月前であろうが兵隊にちゃんと休暇をとらせ、食事もしっかりとらせた。日本軍みたいに餓死する人間はほとんどいません。負け戦がえんえんと続いていても、2、3日休んでリフレッシュして戦いに行く。海洋堂のやり方は大戦中のドイツ軍式です。ウチの造詣師たちは倒れないように寝ます







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